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2014/03/16

胸躍るPathogen



ウイルスをモチーフにした陣取りゲームです。盤面に交互に駒を置いていき、空白が全て埋まった際に駒の多い方が勝ちという内容です。このボードゲームのユニークな点が、「増殖」と「成長」という2つの要素です。面白そうだからなんとなく入れてみましたという程度であればわざわざ取り上げることはありませんが、私はこの2つの要素はちゃんとユニークな魅力として機能していると感じます。



セルについて少し説明します。



セルと呼ばれる駒はABCの3段階のランクと最上位のWallがあります。同じランクの自分のセル同士を重ねると上位のセルに成長します。最後のWallになると確定駒となり、最強の技ウイルスボムであっても破壊することはできません。いかに自分の確定駒を増やして相手の確定駒を阻止するかという戦いです。



オセロのように挟んで取るタイプのボードゲームではなく、駒を増殖させて陣地を増やすのですが、先に沢山取ると不利になるな点や、確定駒を多く持った方が有利という点など、この辺はオセロによく似ています。オセロの場合だと4隅と周辺を押さえて確定駒を増やすというのがセオリーですが、このゲームは駒の成長要素によってどの駒も確定駒になりうるというスリルがあります。

とくにお互いの陣地が接触すると、1ターンでセルが全て塗り変わるようなことが頻発します。駒の強弱と壁が加わったことで戦略的な面白みが増していると思います。個人的には思わず膝をたたいてしまうぐらい、久しぶりに期待以上のゲームでした。ウイルスボムが強力で0からの仕切り直しのような感じになってしまうのはちょっとやりすぎな感はありますが、セルがどんどん分裂することもあって進行は非常にスピーディです。



個人的にはそそる内容なのですが、確かに見た目はぱっとしないかもしれません。ウイルスがテーマというのは良いですが、ボードのデザインといい、駒の○や◎のシンボルといい、もう少し表現の仕方があったような気がします。オンラインもまだ上手く回っていないのか、マッチングに成功しても相手の反応がまったくありません。ヨーロッパで賞を取ったのも納得のゲームだと思うのですが、この辺をしっかりさせないとすぐに埋もれてしまいそうです。


最後に軽くルールをまとめておきます。

交互にマスを埋めていき、全てのマスを埋めた時点でのセルの数を競う。全てのマスを埋める前に、マップの50%以上確定セルを作ればその時点で勝利する。

セルと呼ばれる駒はABCの3段階のランクと最上位のWallがある。同じランクの自分のセル同士を重ねると上位のセルに成長する(A→B→C→Wall)。

セルB、セルCの上下左右がなにもない空間だったり、同位か下位のセルだった場合は分裂する。セルB、セルCが生まれると再び分裂が起こり、条件を満たしている限り連鎖し続ける。

上位のセルを相手のセルに重ねると侵食することができる。これも条件を満たしていれば連鎖するが、同位では分裂しない。ちなみにCセルとWallは侵食されることはない。



アドバンスドセル(セルB、セルC、ウイルスボム)はアイコン周囲のゲージを一杯にすると使用できる。セルB、セルCは直接配置、ウイルスボムは指定したセルと繋がった同ランクのセルを全て破壊する。


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